渋谷で「多様性社会」をテーマとした都市型サミット「DDSS」開催中

開会宣言に立った俳優の別所哲也氏

13~15日にメインカンファレンス開催。別所哲也氏が開会宣言
 渋谷区発の「多様性社会」をテーマとした都市型サミット「DIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA 2017」が11月7日から渋谷の各所で開催されている。

 13~15日には明治神宮会館でメインカンファレンスと称して基調講演とパネルディスカッションが行われる。

 初日となる13日には、最初に渋谷区観光協会名誉理事長で今回のイベントの発起人である俳優の別所哲也氏が開会宣言に立ち「みなさんとって多様性とはどんなものでしょうか。多様性を当たり前とするそんな社会。なかなか当たり前のことを当たり前と言えない社会ということ自体に問題があるんですが、ここ渋谷から多様性について一緒に考えていける。そんな発信を世界に向けてやっていけたら。そしてそのお手伝いができたらと思っています。今日から3日間のカンファレンスで皆さんにとっても新たな気づき、出会いがあることをお祈り致します」と挨拶した。

別所氏(左)と金山氏はがっちり握手

実行委員長の金山氏がイベントの趣旨を説明
 そして実行委員長も務めている渋谷区観光協会の金山淳吾氏が「多様性というとだいたい、課題を解決しなければ…という発想になる。例えばバリアフリーの問題とか。それはこのカンファレンスでもトピックスとして扱っていくが、今は“女性が活躍できる社会を作っていかないといけないのではないか?” “起業の仕組みを変えていかないといけないのではないか?”という“課題とノルマ”の話がすごく社会に出ているのではないかと思っている。ただ一方で、個性を生かす、新しいビジネスチャンスをつかんでいくといった、新しい個性が称えられるような社会というのがもっともっと明るい社会なのではないか、多様性には課題解決の側面と可能性を作っていくという側面があるのではないか、と思い今回のサミットでは、“可能性ってなんだろう? 多様性の中に潜む可能性というのはなんなのだろう”ということを有識者を招いて話を聞いていきたいと考えている」などとイベントの趣旨を説明した。

 また「多様性」というものを考えるうえで金山氏が10月20日~11月10日に渋谷で行われた「BEYOND FES 渋谷」の話題を上げると別所氏も「パラスポーツが、パラリンピックがあるからということではなく、渋谷から当たり前のように日々、スポーツ情報として、参加しませんか? 見に行きませんか?応援しませんか?ボランティアで参加しませんか? こんな情報が普通に行き交う社会に、ここ渋谷からしていければいい」と応えた。

小池都知事は「明るくて希望にあふれる未来の東京を実現していきましょう」
 続いて小池百合子東京都知事が「新しい東京、新しい日本。多様性と個性を力にする時代。」をテーマに講演を行った。

「DIVERSITY」というのは昨年、小池氏が都知事選で戦うにあたり掲げた政策の大きな軸の一つ。

 小池氏は「DIVERSITYというのは東京を誰もが希望や活力を持って存分に活躍できる都市にするということ。都庁一丸となって3つのシティーの実現に取り組んでいる。今日は中でもダイバーシティについてみなさんと一緒に考えて行きたい」と話したうえで、「働き方改革」「女性の活用・推進」「待機児童対策」「超高齢社会への対応」「障がい者の雇用促進」「オリンピックの後はパラリンピック」「多文化の共生」といった多岐にわたるテーマについての取り組みについて話した。

 そして最後に「都知事に就任してから女性も男性も、高齢者もお子さんも障がいがある人もない方も、LGBTの方々も誰もが自分の力を発揮することができる場があって、より充実した生活ができる東京。そんな東京を作りたいということでいろいろな施策を進めてきた。一人一人の持つ個性、活力が東京に持続的な成長をもたらすすべての基礎だと考えている。ダイバーシティー実現を加速し、明るくて希望にあふれる未来の東京を築き上げていく。そのためにも国民、都民の皆さんとともにさまざまなアイデア、要望、政策を皆さんから聞いて、着実に実行していきたいと考えている。これからも、こんな渋谷だったらいいな、こんな東京だったらいいな、というものを聞かせてください。それをともに実現していくために前に進んでいきましょう」と呼びかけた。

テーマセッションを行った浜田敬子氏、小泉秀樹氏、長谷部健区長(左から)

14日以降もさまざまなテーマでセッションを開催
 この日は「多様化する働き方・価値観」というテーマで渋谷区長の長谷部健氏、東京大学教授の小泉秀樹氏、株式会社メディアジーン「Business Insider Japan」統括編集長の浜田敬子氏によるテーマセッション「渋谷未来デザイン構想」など、さまざまなプログラムが用意された。

 14日は「未来を作るソーシャルイノベーション」、15日は「多様性次代を生きる」というテーマでさまざまなセッションやディスカッションが行われる。

 詳細はDIVE DIVERSITY SUMMIT SHIBUYA 2017のホームページ(http://ddss.tokyo/)へ。