佐々木大蔵が3度目の防衛ならず、ゴンナパーに王座を明け渡す【4・22 Krush.87】

 4月22日(日)東京・後楽園ホールで「Krush.87」が開催。メインイベントでは、-63㎏王者・佐々木大蔵がゴンナパー・ウィラサクレックと対戦。判定まで持ち込んだが惜しくも敗れ、ゴンナパーがタイ人としては初のKrush王座に輝いた。

佐々木大蔵(左)、ゴンナパー・ウィラサクレック(撮影すべて・荒木理臣)

 今回、3度目の防衛戦となる佐々木の相手は、過去最強と言われるゴンナパー・ウィラサクレック。同門のKRESTの山崎秀晃、卜部功也、林健太を倒し、KRESTキラーとも呼ばれている。佐々木はベルトを死守するとともに、その流れを断ち切りたいと試合前に語っていた。

 1R、ゴンナパーの左ミドルから試合がスタート。その後も、左のミドルを繰り出し佐々木に圧をかけていく。タイミングを見ていた佐々木は、じっと耐えながら時々パンチを出すが、なかなかゴンナパーをとらえる事が出来ずに苦しい試合運び。2Rも同様に佐々木は我慢の展開。左のミドルで攻め込まれ、左ハイではよろける場面も見られた。続く3Rも変わらず主導権はゴンナパーが握る。佐々木のパンチがヒットしたかと思ったが、相打ちでゴンナパーのパンチも佐々木にヒット、ついにダウンを奪われた。しかし終盤、佐々木はゴンナパーをコーナーまで追い詰めて連打するなど、反撃を試みるも攻めきれず、勝敗は判定へ。3-0でゴンナパーが完勝し、-63kg王座を手に入れた。

 試合後ゴンナパーは「ずっとKrushのチャンピオンになりたかったので、勝ててうれしいです。佐々木は、パンチもありタフですし、いい選手でした。今後は防衛戦になりますが、この階級なら誰が来ても大丈夫。強いて言うなら、K-1王者の卜部功也とやりたい。あとはウェイ・ルイ選手も」とコメント。また「今回、左のローを使わなかったのはプラン通り。相手が良いパンチをもっていたので、ローを出したらパンチが入ってくるんじゃないかと思ったので」と今回、想定通りに試合ができたと明かした。

 佐々木は「相手が強かったそれだけ」とさっぱりした表情。「相手のペースに引き込まれた。ゴンナパーは最強だったが、ミドルをもらって、同じ人間なんだなと思った」と発言。さらに「今回戦ってみて、自分の中で得たものがたくさんあった。ゴンナパーとやって佐々木は変わったな、面白い試合をするようになったと思われるように、今日の試合を糧にして成長を見せていきたい」と前向きなコメント。何か手ごたえを感じた一戦となったようだ。

レオナが最強の高校生・西京佑馬に快勝 

 セミファイナルではレオナ・ペタスがK-1甲子園2016 -60kg王者・西京佑馬と対戦。
 レオナは昨年行われた第5代Krush -60kg王座決定トーナメントの決勝で安保璃紅に判定負け、王座を逃している。そんな年齢、キャリアに勝るレオナが、プロ3戦3勝の最強の高校3年生を判定で下し、勝利をものにした。

 試合後レオナは「先々週の土曜日に兄(のように慕っていた)のKOICHIさんを事故で失ってしまったんですけど、兄貴の分まで頑張って勝てて良かったです。これからも頑張ります」と、4月8日に交通事故で死去した元K-1ヘビー級ファイターKOICHIを偲び、涙を浮かべながら勝利を報告した。

西京佑馬(左)、レオナ・ペタス
4.22「Krush.87」すべての試合結果

◇プレリミナリーファイト第1試合/Krush -53kg Fight/3分3R
○璃明武(1R1分5秒 KO)篠原広輝●

◇プレリミナリーファイト第2試合/ Krush 女子-45kg Fight /2分3R
テキサス・アユミ(判定1-0 29-29、29-29、29-28)福原優

◇プレリミナリーファイト第3試合/ Krush -67kg Fight /3分3R
〇海斗(1R 0分41秒、KO)斎藤雄太●

◇第1試合/ Krush -63kg Fight /3分3R・延長1R
○瓦田脩二(1R2分21秒、KO)竹内悠希●

◇第2試合/ Krush -55kg Fight /3分3R・延長1R
●大川一貴(2R 0分50秒、KO)小倉尚也○

◇第3試合/ Krush -53kg Fight /3分3R・延長1R
○隼也ウィラサクレック(判定3-0=30-29、30-29、30-29)晃貴●

◇第4試合/ Krush -65kg Fight /3分3R・延長1R
●川崎真一朗(1R2分09秒)鈴木勇人○

◇第5試合/ Krush -70kg Fight /3分3R・延長1R
○藤村大輔(3R0分 57秒、KO)林完●

◇第6試合/ Krush -58kg Fight /3分3R・延長1R
○伊藤健人(判定3-0=30-27、30-27、30-26)和夢●

◇第7試合/ Krush -58kg Fight /3分3R・延長1R
●神戸翔太(判定0-3=29-30、28-30、27-30)伊澤波人○

◇第8試合/ Krush -67kg Fight /3分3R・延長1R
●山際和希(判定0-3=29-30、28-29、28-30松岡力○

◇第9試合/ Krush -60kg Fight /3分3R・延長1R
○レオナ・ペタス(判定3-0=29-28、30-29、29-28)西京佑馬●

◇第10試合/ Krush -63kg Fight)/3分3R・延長1R
●佐々木大蔵(判定0-3=26-30、26-30、26-30)ゴンナパー・ウィラサクレック○