JTが紙巻きたばこからプルーム・テックに切り替えた場合の人体に取り込まれる曝露量を調査

会見する北里大学の熊谷雄治教授(左)とJTの福地淳一執行役員

禁煙をした場合と同様のレベルまで低減
 日本たばこ(JT)が11月9日、都内で加熱式たばこに関する会見を開いた。

 JTでは加熱式たばこに関する科学的な調査・研究を実施し、その結果を記者会見という形でオープンにしている。

 10月には「加熱式たばこ使用時の空気環境影響調査」に関する会見を行っているのだが、今回はそれに続くもの。

 この日の会見では、紙巻きたばこの喫煙者が「プルーム・テック」の使用に切り替えた際の、体内に取り込まれる健康懸念物質量(曝露量)の調査結果が発表された。

 調査は紙巻きたばこ喫煙者60人を集め、2日間通常通りに喫煙した後、①紙巻きたばこを自由に喫煙する、②プルーム・テックを自由に使用する、③禁煙する、という3つのグループに分け、5日間その条件で過ごし、期間中に2回(3日目、5日目)採尿と呼気測定を行い、曝露量を計測し比較した。調査に当たっては北里大学の熊谷雄治教授が監修した。

 この結果、紙巻たばこから「プルーム・テック」に切り替えたグループでは、測定した多くの成分の曝露量が、禁煙したグループと同様のレベルにまで低減したことが分かった。

 また、「プルーム・テック」に切り替えたグループは、紙巻たばこの喫煙を継続したグループと比べて、調査した全ての成分の曝露量が、顕著に減少した。

 これらの結果から、紙巻たばこの喫煙者が「プルーム・テック」に切り替えた場合、体内に取り込まれる健康懸念物質量は禁煙をした場合と同様のレベルであること、そして「プルーム・テック」の使用が、喫煙に伴う健康へのリスクを低減させる可能性を持つことが示されたこととなる。

 10月に発表された「加熱式たばこ使用時の空気環境影響調査」では、加熱式たばこは周囲の空気環境にほとんど影響を与えないことが示されたのだが、今回の調査では利用者自身の人体に取り込まれる健康懸念物質の量が紙巻きたばこの喫煙時に比べ、大きく低減していることが示された。

 JTでは今後、健康に与える影響を調査。白血球、コレステロールといった数値などから「プルーム・テック」の使用者が紙巻きたばこの喫煙者と比較して非喫煙者の方向に位置しているかということを調査していくという。