福島産食品の安全性、グローバル認証で世界にアピール

「復興ありがとうホストタウン」のショールームで紹介された福島のオリジナルメニュー
「復興ありがとうホストタウン」のショールームでは、福島県産のGAP食材を使用したオリジナルメニューのお弁当やサンドウィッチを紹介。GAPとは、Good Agricultural Practice の略称で、「適切な農業を実施すること」を意味する。GAPは専門機関によって認証され、2020年大会においても選手村で使用される食材はGAP認証の取得が必須条件になるなど、近年、食品の安心・安全の見える化として注目されている。
彩り豊かな「FUKUSHIMA GAP」
 オリンピック期間中に提供されるお弁当「FUKUSHIMA GAP」は、GAP認証を受けた福島県産のトマト、アスパラ、きゅうりなどの野菜マリネや、大豆ミートを使用したそぼろご飯などが味わえるヴィーガン対応のベジタブル弁当。訪日外国人客の食文化にも対応できるようにした。

 また、パラリンピック期間中に提供されるサンドウィッチ「F SANDWICHES」は、一口サイズの食べやすさや、彩り、香りなどを追求し、すべての人がおいしさを感じることができるユニバーサルフードを目指した。福島県産の野菜や卵のほか、パンには福島県の障がい者就労支援施設「まちなか夢工房」のブランドパンを使用し、トレイには、2018年のグッドデザイン賞を受賞した環境配慮型の福島県バイオマスプラスチック「ひのきぷら」を使用。オール福島で食の魅力を届ける。
パラリンピック期間中に提供されるサンドウィッチ「F SANDWICHES」
 食の安全については、地元の高校生も積極的だ。トークセッションのフロアでは、「ホストタウンが生む 地域内外の新たなつながり。TEAM FUKUSHIMAがつくる持続可能な未来」というテーマで、福島県立岩瀬農業高校の学生らがプレゼンテーションを行い、福島県産食品の風評被害を取りのぞく取り組みなどを紹介した。
オランダ研修では先進的な農業を学んだ学生たち
 岩瀬農業高校では、今なお残る風評被害を解消するため、グローバルGAPの取得を目指している。友好関係のあるオランダでの農業研修では、現地の学生に対して福島産食品の現状を伝えた。放射能は人から人へ移らないこと、福島県産の食品は世界一厳しい安全検査をクリアしていることなどを説明し、海外の人に正しい知識を理解してもらったという。「福島県産のジャムを食べてもらったときには「福島の食べ物って美味しい」と言ってもらえた。自分たちの取り組みが間違っていないと確信しました」と学生は語る。

 今後は、誤解による風評被害を取り除くため、オランダで学んだGAP認証の継続的な取得を目指し、信頼性の確保につなげていきたいという。福島のチャレンジは、着実に若い世代へと繋がっていた。
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