15人体制のEXILE、東京ドームでツアーフィナーレ! ラストステージの黒木啓司「17年間は宝物」

 ツアーは、EXILE20周年のメモリアルイヤーをファンと一緒に盛り上げようと、EXILE ATSUSHIの限定復活が実現した“15人体制のEXILE”による特別な公演。中でも最終日の東京ドーム公演は、この日を以てEXILEを勇退し、芸能界を引退するパフォーマー 黒木啓司のラストステージとなり、15人の勇姿を見届けるために会場には超満員の観客が集結した。

 遡ること2年半前、2020年2月25日に開催した『EXILE PERFECT LIVE 2001→2020』京セラドーム公演を最後に、思わぬ形で終幕を迎えた“15人体制のEXILE”。その後も、ライブ前のインタビューで現リーダーのAKIRAが「先の見えない不透明な状況下、度重なるライブの中止や延期、スケジュールの変動により思うように皆様へEXILE ENTERTAINMENTをお届けできない日々。僕たちEXILEにとっても、メンバー1人1人にとっても、歯がゆい日々が続く試練の期間でした。しかし僕たち自身、“願いの力”を信じ、今日この日まで一丸となって走り抜いて参りました」と語ったように、誰もが小さな希望に向かって必死に生き抜いてきたことだろう。その結果、今年開催したアリーナツアー『EXILE 20th ANNIVERSARY EXILE LIVE TOUR 2021“RED PHOENIX”』で復活の狼煙を上げ、今夏ようやく単独ドームツアーが実現。途中、全員が揃わない公演もあったが、ファイナルの舞台・東京ドームには笑顔の15人が立っていた。

 定刻を少し過ぎた頃、各自の“願いの力”を象徴したカラージャケットに身を包んだメンバーが、メインステージから四方に分けるように広がった花道の先端から、続々と登場したEXILEメンバー。そこに最後のピースであるATSUSHIが加わると、「POWER OF WISH」の“W”をかたどったフォーメーションで“15人のEXILE”が集結。温かな拍手とフラッグが彼らを迎え入れる中、届けられた1曲目は代表曲「Rising Sun」。エネルギッシュな魂の歌が、コロナ禍や不安定な世界情勢を前に曇る表情を明るく照らし、ライブの幕開けを宣言した。続けてATSUSHIとTAKAHIROは、ツアーのテーマソングとして制作された「POWER OF WISH」を高らかに歌い上げた。

「皆様と最高な時間を取り戻すことができたのは、まずは皆様が会場のルールやマナーを一丸となって守ってくだりながら、共にEXILE ENTERTAINMENTを築き上げてくださり、そして何より、共にLDHエンタテインメント完全復活を“願い”続けてくださったからこそです。ステージ上から見える皆様の、喜ぶ姿、マスク越しに浮かぶ笑顔。幅広い年齢層の方々が世代を超え、EXILEのライブという場で共にLOVE DREAM HAPPINESSを分かち合う光景。本当に感動しました。そして感謝の一言に尽きます」というAKIRAの言葉通り、ATSUSHIの呼び掛けで沸き起こったクラップがメンバーと観客を結び、一丸となって楽曲を盛り上げる様は、声を出せない現状でも頼もしい輝きを放っていた。

 TAKAHIRO、NESMITH、SHOKICHI、ATSUSHIと歌いつなぐインタールードと、パフォーマー陣によるアグレッシブなダンスが興奮を煽った「Heads or Tails」から、「I Wish For You」や「時の描片~トキノカケラ~」といった揺るがない名曲たちを通して、そこにいる1人1人の中に息づく大切な記憶をステージに映し出していく。そして、共に育ててきた楽曲で会場をあたためると、AKIRA・TAKAHIROを筆頭とする新生EXILEのターンに突入。SHOKICHIのドラムとNESMITHのギターが熱い産声を上げる中、攻めのEXILEを象徴する「RED PHOENIX」が鮮やかな赤い翼を広げた。全身で“自由”を表現しながら、変幻自在にフォーメーションを変えていくメンバーたち。新生EXILEの変幻自在なフォーメーションでのダンスが印象的な「NEO UNIVERSE」は、14人にとって“青春”そのものだった2022年の思い出に欠かせない1曲となったことだろう。と同時に、TAKAHIROがEXILEの楽曲や歌詞を織り混ぜながら作詞した「BE THE ONE」では、メンバーがフロートに乗ってアリーナ外周を回り、20周年の先も続くEXILEとファンの絆を再確認することとなった。