映画『スラムダンク』『すずめの戸締まり』…中国で日本アニメが躍進する背景は?

 新型コロナの「5類」移行を前に、昨年末から日本のアニメ映画が好調だ。2022年11月に国内で公開された新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』は、4月末時点で興行収入145億円を超える大ヒットに。22年12月に公開された『THE FIRST SLAM DUNK』は132億円を突破している。

中国で大ヒット中の映画『THE FIRST SLAM DUNK』。4月23日、上海の3Dボールスクリーンに同作の広告が投影された(写真:CFoto/アフロ)

本稿には映画『THE FIRST SLAM DUNK』の内容に触れている箇所があります。

 この両作は海外でも高い人気を集めている。特に中国では顕著で、3月24日に中国全土で公開された『すずめの戸締まり』(中国題:鈴芽之旅)は4月17日時点で興行収入は7億5200万元(約147億円)となり、日本での記録を超えた。観客動員数も2260万人を超えている。

 これに続く形で『THE FIRST SLAM DUNK』も4月20日から中国で公開され、前売り券の売上だけで1億1500万元(約22億5000万円)、公開後4日で興行収入は3億7700万元(約73億円)、観客動員数1000万人を突破する勢いとなっている。

 中国メディアの報道によると、4月の中国国内の興行収入は『THE FIRST SLAM DUNK』が5億2280万元(約104億円)で1位。『すずめの戸締まり』は3億5260万元(約70億円)で2位と上位を独占している。

 特に『すずめの戸締まり』は2016年公開の同じ新海誠作品『君の名は。』以上のヒットとなり、興行収入、観客動員数共に中国で上映された日本映画で歴代1位となっている。

 なぜ、ここまでの勢いがあるのか。まず、公開タイミングの中国国内特有の事情がある。

 中国ではこれまで「ゼロコロナ」政策を採っていたが、昨年末にオミクロン株が大流行した後、23年に入り「ゼロコロナ」政策を事実上撤廃。飲食業や映画館が通常営業されるようになり、「春節」と呼ばれる旧正月以降は国内のエンタメ需要が急上昇していた。

 このタイミングに合わせ、『すずめの戸締まり』と『THE FIRST SLAM DUNK』という日本の2大コンテンツが乗り込んでいったのが「勝因」といえる。

 それ以外にも、新海誠監督ファンや、『SLAM DUNK』ファンといった固定ファンが両作品におり、こういった層を中心としたマーケティングが功を奏している背景もある。

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