「かっぱ寿司」運営会社「営業秘密の持ち込み二度と起こさない」新社長が事件の経緯説明

 回転寿司チェーン「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトが3日、都内で緊急記者会見を開いた。

「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイトの山角豪新社長

「かっぱ寿司」では先月30日、前社長である田邊公己容疑者がライバルチェーン「はま寿司」の営業秘密のデータを不正に取得したなどとして不正競争防止法違反容疑で逮捕され、3日付で辞任したことが発表されていた。田邊容疑者は一昨年10月まで「はま寿司」の親会社であるゼンショーホールディングスで勤務し、2014年~2017年まで「はま寿司」の取締役を務めていた。

 後任の山角豪代表取締役社長は、会見冒頭で「このたびの事態により、お客様、株主の皆様をはじめ、関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけし、改めて深くお詫び申し上げます」と頭を下げた。

 被疑事実について「(田邊)前代表が前職在職中に保持しておりました他社のデータを当社に持ち込んだもの。この中に、競合会社(はま寿司)のメニュー原価表および仕入れ先データなどが含まれていた」とし、田邊容疑者は内部調査に対し「前職在職中の2020年8月中旬頃、当時担当していた海外寿司事業で活用するため、競合会社の社員に対して職務としてデータの送付を依頼し、自らの業務用PCに保存した」と説明。

 退職の際に当時の部下に依頼してPC内の資料をUSBメモリで受け取り、カッパ社顧問に就任した2020年11月当時、メニュー原価表や仕入先データを元に商品企画部長の大友英昭容疑者に商品原価の比較表の作成を指示。作成した比較表は田邊容疑者にメールで送付し、当時の上司である本部長と部下1名にCCで共有された。田邊容疑者は「不正競争防止法については理解がなく、非常に軽率であった」と弁明したという。

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