「AIが広告的な記事や動画をはじく時代」に「心に残り続けるブランディング映像を」Visual EXPO授賞式
「Visual EXPO by BRANDED SHORTS」Branded shorts of the Year授賞式が9月29日、赤坂インターシティコンファレンスにて行われ各部門受賞作が発表された。
国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)」と連動し、企業やブランドのブランディング映像(ブランデッドムービー)を紹介・表彰してきた「BRANDED SHORTS」がリニューアル。「Visual EXPO by BRANDED SHORTS」として、企業や団体、クリエイターなどがリアルな場で出会い、映像を通じたビジネス課題解決や、新たな価値の共創を目指す。
授賞式前の審査員トークでは、樋⼝審査委員長が「審査員とも“すべての作品が勝者なのではないか”と話した。企業や団体の伝えたい思いを掘り下げて物語にし、映像作品として完成させたということそのものにリスペクトを抱きました」と出品作に賛辞。
国内外から寄せられた多種多様な作品を審査する難しさを振り返りつつ「広告的か映画的かという視点よりも価値を共有する力に重点を置いた」という審査員たち。審査員の宮⽥裕章教授からは「AIがPRっぽい言葉が使われたものをはじいて、生活者視点でつづられているものをおすすめに出すという傾向もある。また1秒以下でインパクトを与えないとスワイプされてしまうという状況がある一方、より心に残る映像とは何かを考えることが大切になってくるのでは」という声も上がった。
授賞式ではBranded shorts of the Yearをはじめとする各部門の受賞作を表彰。「第15回観光映像大賞 観光庁⻑官賞」は、福島県総合情報誌「ふくしままっぷ」のブランドムービー『ふくふくの地図』が受賞。作品を手がけた片渕須直監督は「最初にオファーをいただいたとき“福島県のPRではなく福島県をPRするマップのPR”ということで、不思議なお話だなと思いましたが、そのマップには福島中の魅力が描かれていました」と振り返りつつ作品に込めた思いを語った。
話題賞を受賞したSEKAI NO OWARIの『THE CINEMA』のディレクター池田大氏も登壇。池田氏は「僕にとっては家族のような存在であるSEKAI NO OWARIとスタッフたちとこれからも苦楽を共にしたいと思います」と授賞を喜んだ。SEKAI NO OWARIのSaoriからも「THE CINEMAは音楽表現と映画がどれだけ溶け合うかを試みた作品でした」と喜びのコメントが届いた。
SNSなどの動画を通じて自身の思想や世界観、創造性を伝える発信者に贈られる「パーソナルブランディングアワード」はKaz Languages、KELOが受賞。人材採用の観点で選ばれるHR部門は、創業者の実話をもとに多くの人の“最期”に寄り添う企業の思いを描いた『最期の、ありがとう。#32~34「鬼の目にも涙」』が受賞した。
世界各国から寄せられた応募総数654点のうち、25点のノミネート作品から選ばれた最優秀賞「Branded Shorts of the Year」ナショナル部門では、公益社団法人Marriage For All Japanによる『誰も悪くないのにね』が受賞。同団体の松中権氏は「私たちは同性婚を含む婚姻の平等の実現を目指しています。この作品は日本に暮らすLGBTQの方たちから実際に聞いたエピソードがもとになっています。作品を通して少しでも自分ができることはないかなと思っていただけたら」と喜びと期待。インターナショナル部門はオランダの乳がん啓発プロジェクト作品『触ってみて』が受賞した。
樋⼝景⼀審査委員⻑は「『誰も悪くないのにね』は“ボールを強く当てていく”のではなく“隣の人から隣の人へと手渡す”ような優しい手法で描かれた作品。新しい投げかけの手法に対して敬意を表し選ばせていただきました」と、啓発動画の新たな形をたたえ「今回はたまたまインターナショナル、ナショナル部門ともに社会啓発の作品が受賞しましたが、必ずしもそうあるべきというわけではありません。今回は、価値の発見と新しい投げかけ方を評価させていただきました」と総評。
代表の別所哲也も「あらゆる人が動画を撮る、全人類がクリエイターの時代。分断ではなくお互いの違いや多様性を認め合うエンターテインメントの未来地図を作っていけたら」と、映画祭の枠を超えた挑戦のさらなる広がりに意欲を見せた。
また受賞作は、9月30日から10月2日まで港区・TORANOMON MARCHÉにて開催される食とショートフィルムのイベント「SCREEN TORAMARU – SHORT FILM NIGHTS with Visual EXPO –」にて上映される。




