宮本輝の同名小説を、『八日目の蝉』で日本アカデミー賞を総なめにした成島出が監督、日本映画界になくてはならない俳優・佐藤浩市主演で映画化した注目の一本。不思議な縁で結ばれた世代も性別もバラバラな4人が、ある写真に写っていた風景を求めて旅に出る。人生の岐路に立った彼らが、寓話のような旅の中で、人生の輝きを取り戻していく姿が、時にユーモラスに、時に優しくつづられていく。
原作者・宮本輝は、阪神・淡路大震災で家を失ったことをきっかけに、震災から半年後、40日間でシルクロード6700キロを行くという過酷な旅に挑戦。何もない荒涼とした大地を前にして人の生き方を見つめ直したという宮本が“人間力のある大人”を描こうと執筆したのが本作の原作となった小説だ。映画では設定を2011年に発生した東日本大震災以後の東京へと変更し、“世界最後の桃源郷”と呼ばれるパキスタン・フンザでのロケを実現。壮大な風景が見る者の心を開放してくれる。