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片岡愛之助

2011.06.20 Vol.514

人間同士の愛が結ぶ"絆"を強く感じる作品です。

年代を問わず愛されている藤沢周平作品の中でも映像化の要望が多かった『小川の辺』が公開される。美しい自然の中、山形県庄内地方をイメージした海坂藩から江戸へ向かう武士の姿を追ったロードムービーでもあり、義と情に揺れる人間の心を丹念に描いた作品だ。過酷な運命に翻弄される、主人公の義弟であり友を演じる片岡愛之助に作品の魅力を聞く。

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撮影:蔦野裕

 東山紀之演じる戌井朔之助の義弟で、脱藩した元藩士・佐久間森衛を演じるのが、上方歌舞伎のプリンスと呼ばれ、その端正なマスクと演技力で人気を誇る歌舞伎役者・片岡愛之助。新橋演舞場での歌舞伎の昼夜公演の合間を縫って、完成披露記者会見、そして取材をこなすという多忙なスケジュールの中話を聞いた。

「今回の映画は、朔之助と森衛の殺陣のシーンが見所のひとつですが、殺陣の稽古の時は、『花の武将 前田慶次』という舞台をやっていた時期で、舞台と殺陣の稽古場を行ったり来たりして、すごく大変でした。でも歌舞伎とはまた違う動きを一から教えていただいて、勉強になりましたね。その舞台が終わった次の日に山形のロケ地に行きましたが、その日からいきなり土砂降りの中、決壊した堤防を土嚢でせき止めるという、ハードなシーンで泣きそうになりました(笑)」

 緊迫した殺陣のシーンだが、そこに流れる時間は静寂さすら感じさせる。

「そうなんです。この作品は、全体を通して台詞が意外と少ないんです。それだけに雰囲気とか、視線とか、表情で会話をしている感じですよね。説明的な言葉はなく、殺陣のシーンなんかは、刀を一手一手交えるごとに、朔之助と心で会話をしている気持ちになりました」

 藤沢周平原作の作品は、映画や舞台、そしてテレビなどで、多く作品化されている。舞台では『蝉しぐれ』に出演し、2度目となる藤沢作品だが、世代を超えて愛される理由は何なのか。

「藤沢先生の作品は、ものの見方が面白いですよね。弱い者の味方っていうか、上下関係があるとしたら、下のほうから見ているというか...。普通の人の生活を描き、市井の人の心を丁寧に描いている。そういうところがすごく見ている人に共感の持てるところで、演じていても、無理なく演じることができるんです。今回の作品も、人間関係とか心情がすごく複雑ですけど、僕が演じた森衛自身は、単純な人なんです。すごく真面目一徹で正義感にあふれているっていう、ほんと純粋な人。正義感が強すぎて、大変なことになりますが、逆に言えば、理想ですよね。正義をつらぬく真っ直ぐな気持ちって素晴らしいって思うので、僕自身は演じるにあたって悩むことなく役に入れたし、見ている人も自然と共感できるのではないでしょうか。また、この映画は、藤沢先生の独特の世界観と、日本の原風景のような美しい景色、そして人間同士の"絆"を感じさせてくれる作品でもあります。恋人同士の愛、兄妹、親子、夫婦の愛、友情。いろんな愛の形が描かれていますが、その愛が結ぶ絆が丁寧に描かれています。今、一番必要なものだと思うし、東北の方たちにも見ていただいて、人との"絆"を感じていただければうれしいですね」

 東山さんとは初共演?

「東山さんだけではなく、キャストの皆さんとは、すべて初共演です。東山さんは、現代劇から時代劇までこなすので、共演させていただくことが楽しみでした。撮影中は役に入り込んでいるので、お互いそんなに喋りませんでしたが、終わってからは仲良くなりました。すごく明るくて、冗談ばっかり言っていますよ(笑)。でも、後輩をたくさん持っているからなのか、人に対する思いやりとか優しさはすごいです。それに武士みたいに真面目でストイック。毎日腹筋を15分で1000回やるんですから。意味分からないでしょ?(笑)。ある意味アスリート。でもそのぐらい自分に厳しい方だから逆に他の人に優しくできるんでしょうね。まさに現代の侍ですね」

 この日も歌舞伎の舞台を務め、5月まではテレビの連続ドラマ、そして7月は歌舞伎、8月は歌舞伎以外の舞台とさまざまなフィールドで活躍し多忙を極める日々を送っているが、歌舞伎役者として、実現したい夢があるという。

「歌舞伎をもっと知っていただきたいです。歌舞伎って好きな方はずっと見て下さりますが、若いお客様は、敷居が高いと思っている方が多くて、裾野が広がっていない気がして。こちらも勉強して育っていかなきゃいけないので、歌舞伎を体験したことがないお客様と一緒に育っていきたいですね。そして僕は上方歌舞伎の人間なので、将来は、京阪神のほうで、1年12カ月歌舞伎の舞台が行われるようになればいいなと思っています。TOKYO HEADLINEの読者の方、一度だまされたと思って、ぜひ歌舞伎も見に来て下さい(笑)」

 最後に...歌舞伎界では"ラブリン"の愛称で親しまれていますが...。

「ええ、大歓迎です。親しんでいただいていると思って受け入れています(笑)」

(本紙・水野陽子)

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『小川の辺』

監督:篠原哲雄 出演:東山紀之、菊地凛子、勝地涼、片岡愛之助、尾野真千子、松原智恵子、笹野高史、西岡徳馬、藤竜也/7月2日(土)全国公開 www.ogawa-no-hotori.com
原作/藤沢周平
©2011「小川の辺」製作委員会


『SUPER 8/スーパーエイト』

2011.06.20 Vol.514

J.J.エイブラムスが仕掛ける新たな謎、そして感動!

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©2011 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 ハリウッド有数のヒットメーカー同士が初タッグ! 脚本・監督は「LOST」で新たなエンターテインメントのスタイルを生み出した“メディアの天才”J.J.エイブラムス。製作には『E.T.』や『未知との遭遇』など、傑作SF映画の数々を手掛けた巨匠スティーブン・スピルバーグが参加。J.J.とスピルバーグのタッグならではの、謎、衝撃、そして感動に満ちたSF超大作が誕生した。

 偶然、列車事故を目撃した少年たちがアメリカ軍の極秘情報を8ミリカメラで撮影してしまい“未知”との出会いを経験するという物語。禁断の秘密とは、そして“未知”とは何なのか。J.J.の秘密主義は相変わらずで、その情報のほとんどが明かされていないが、J.J.いわく「70〜80年代の名作スピルバーグ映画へのオマージュを込めた作品」だとか。LA Timesも「『スタンド・バイ・ミー』と『E.T.』を倍増させたような映画だ」と評しており、世代を超えて楽しめる新たな傑作として、話題を集めそう。

STORY:1979年、夏。14歳の少年・ジョーは、親友・チャールズの8ミリ映画を手伝うため、仲間とともに夜中の駅へ。ところが目の前で列車の大事故が発生。彼らの8ミリカメラは軍の極秘情報を撮影してしまう。

監督:J.J.エイブラムス 出演:ジョエル・コートニー、エル・ファニング他/1時間51分/パラマウント ピクチャーズ ジャパン配給/6月24日(金)よりTOHOシネマズ 日劇他にて公開 http://www.super8-movie.jp/


帰還1周年! 竹内結子&高嶋政宏 が“はやぶさ”ケーキで祝福

2011.06.13 Vol.513
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実話にちなんだ“はやぶさケーキ”で帰還1周年をお祝い!

 13日、東京国際フォーラムにて小惑星探査機・はやぶさの帰還1周年記念イベントが行われ、その実話をもとに製作された映画『はやぶさ/HAYABUSA』に出演する竹内結子、高嶋政宏、JAXA(宇宙航空研究開発機構)名誉教授・技術参与の的川泰宣氏が登場した。
 ちょうど1年前のこの日、はやぶさは7年の旅を終えオーストラリアのウーメラ砂漠にカプセルを投下し使命を全う。幾度もの困難を乗り越え見事、小惑星のサンプルを持ち帰るという世界初の快挙を達成。的場氏は「震災以降、はやぶさの意義が変わったと感じる。(サンプルを)採って帰ってきた無人の探査機というところから、日本人のシンボルのようになってきた。この映画で、さらに“はやぶさ”熱が高まって、日本の力になってくれれば」と語った。
 はやぶさプロジェクトに参加する研究生役の竹内は「専門用語がたくさんあって、セリフが大変でした。よく分からない用語をネットで調べると、さらに難解な用語でいっぱいの説明が出てきて…宇宙って広いんだなと思いました(笑)」。チームを総括する坂上研究員を演じた高島は「僕はもともとセリフ覚えの良いほうなんですが、実は震災以降セリフが覚えられない時期がありまして」と、それぞれ“研究者役”ならではの苦労を明かした。
 実際のカプセルと同じ重さのレプリカを手にした竹内と高嶋は「重い! お米5.8キロくらい?」とビックリ。こちらのレプリカは、東京国際フォーラム1Fに10月10日までの期間限定でオープンする「はやぶさi」に展示される。映画は10月1日より全国公開。


東京に、厳選フランス映画がやってくる!

2011.06.13 Vol.513
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『アーサー3(仮)』実写とアニメの融合が楽しい、リュック・ベッソン監督“アーサー”シリーズ第3弾配給:角川映画
©2010 EUROPACORP ©TF1 FILMS PRODUCTION ©APIPOULAI PROD- AVALANCHE PRODUCTIONS Images et Effets 3D ©BUF

 毎年、多くの映画ファンが訪れるフランス映画の祭典が今年で19回目を迎える。「フランス映画祭2011」が23日より有楽町朝日ホールと、TOHOシネマズ日劇にて開催。毎年、フランス映画界を代表する大御所が務める映画祭団長に、今年は世界的ヒットメイカー、リュック・ベッソン監督が就任。他にも、オタール・イオセリアーニ監督、ジャン=ポール・ジョー監督、俳優のジュール・ペリシエらが来日決定。23日には、ベッソン監督の記者会見と全ゲストによるオープニングセレモニーが予定されている。

 今年上映されるのは全12プログラム(長篇11本、短篇集6本1プログラム)。ベッソン監督の最新作『アーサー3(仮)』をはじめ、イオセリアーニ監督待望の新作『Chantrapas(原題)』、92年の地球サミットで伝説のスピーチを行った少女、セヴァン・スズキが日本とフランスで傷ついた地球と向き合い続ける人々の姿を追ったドキュメンタリー『セヴァンの地球のなおし方』など、今年も話題作がそろっている。

「フランス映画祭2011」
6月23日(木)〜6月26日(日) ※全4日間
会場:有楽町朝日ホール(メイン会場)、TOHOシネマズ 日劇(レイトショー会場)
【問い合わせ】ハローダイヤル 050-5541-8600(8〜22時) 【URL】http://unifrance.jp/festival/2011/


『127時間』

2011.06.13 Vol.513

“生きたい”―その思いは絶望を超えた。ダニー・ボイル監督 話題の最新作!

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©2010 TWENTIETH CENTURY FOX

 過酷なストーリーでありながらラストには熱い感動と爽やかな高揚感に包まれる、と世界中で絶賛されている話題作が、ついに日本でも公開。監督はイギリスの鬼才ダニー・ボイル。アカデミー賞8部門に輝いた『スラムドッグ$ミリオネア』に続く傑作誕生と、今年の賞レースでも大きな話題となった作品だ。物語の元となっているのは、無人の荒野で崖に腕を挟まれ動けなくなり“究極の決断”を下した青年の実話。狭い谷底、主要登場人物は1人という限定的な設定ながら、冒頭からラストまで退屈な瞬間は一切無し。リアルに広がる心理描写と、スケール感あふれる大自然の描写を組み合わせ、ドラマチックでスケール感満点の映画に仕上げた監督の腕前はさすがだ。見る者を疑似体験に引き込む主演・ジェームズ・フランコの演技にも拍手。ラストに響く力強い生命の鼓動に、想像以上の感動と高揚を感じるはずだ。

STORY:金曜の夜、ロッククライミングを楽しむため、1人ブルー・ジョン・キャニオンに向かったアーロン。ところが落石に右腕を挟まれ、谷底から身動きできなくなってしまう。どうあがいても抜け出せないと悟った時、生き延びるためにアーロンが下した決断とは…。

監督:ダニー・ボイル 出演:ジェームズ・フランコ他/1時間35分/20世紀フォックス映画、ギャガ配給/6月18日よりTOHOシネマズシャンテ他にて公開 http://127movie.jp/


ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2011 part.1

2011.06.13 Vol.513

6.16(thu)〜6.26(sun) 原宿・表参道・新宿・六本木・横浜 今年は5カ所にて堂々開催!

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25分以内の奇想天外!? 米国アカデミー賞への道となるグランプリ作品を選ぶのは、この5人!!
左から犬童一心(映画監督・CMディレクター)、小澤征悦(俳優)、菊川怜(女優 ※旅シヨーット!プロジェクト審査員と兼任)、鳥越俊太郎(ジャーナリスト)、ジョージナ・ポープ(プロデュ−サー)


さらに広がるショートフィルムの可能性!

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 日本で生まれた、米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2011」が6月16日から開幕。13年目を迎える今年は世界104カ国から4200以上もの作品が応募。映画祭では、その中から選りすぐりの100作品が上映される。映画祭史上初となる3D部門など新たな企画も加わり、ショートフィルム(短編映画)の可能性をさらに広げる今年のSSFF & ASIA。その見どころを一挙紹介!

 1999年に原宿で誕生して以来、毎年東京を中心に開催し、ショートフィルムの魅力を紹介してきたSSFF & ASIA。映画祭で上映されるショートフィルムは短いもので1分、長いものでも25分。ショートフィルムは短いながらもメッセージ性が強く、凝縮された面白さが魅力。2010年に米国アカデミー賞にノミネートされた『マイレージ、マイライフ』のジェイソン・ライトマン監督や『カンフー・パンダ』のマーク・オズボーン監督など、現在第一線で活躍する監督たちの作品も数多く出品されてきた。短編映画は若い製作者たちが羽ばたくためのチャンスをつかむためのものともいえる。そんなショートフィルムならではの魅力に加え、SSFF & ASIAならではのさまざまな楽しさが、毎年多くのファンをひきつけている。その1つが、長編映画に劣らぬ豪華作品。セレブ俳優や著名監督が携わった作品、世界的な国際映画祭で絶賛された作品、また音楽やスポーツなど他ジャンルとのコラボや、環境問題や観光発展などへの取り組みなど、SSFF & ASIAならではのユニークな企画の数々も、ファンを生む理由となっている。SSFF & ASIAは、短い時間の中に込められたショートフィルムの無限の可能性に触れることができる映画祭なのだ。

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左から、アン・ソンギ/犬童一心/パク・コニョン/リュ・ヒョンギョン

豪華ゲスト来場イベント開催決定!
参加予約・チケット購入はお早めに

★日韓観光振興トークイベント(K-EVENT)
6月23日(木)17時40分〜 ラフォーレミュージアム原宿 参加無料・予約制(6月19日正午 予約締め切り)

 日韓観光振興プロジェクト特別製作作品『スーパースター』『スマイルバス』のキャスト&スタッフが来場! 出席予定:萩原健太郎監督、櫻井淳子、キム・ウンス、パク・サンジュン、パク・コニョン、リュ・ヒョンギョン、田中要次、アシアナ国際短編映画祭実行委員長 アン・ソンギ※応募方法は映画祭公式サイト参照のこと。受付は先着順。定員になりしだい締め切り。応募は1人1回限り。

★犬童一心監督によるクリエイター向けセミナー
6月18日(土)15時45分〜 表参道ヒルズ スペース オー(要チケット購入)

 日本映画界をけん引する犬童一心監督が映像クリエイターを対象に、将来の映像ビジネスについてを語るセミナー

★韓国ミュージックShortスペシャルイベント
6月17日(金)15時45分〜 表参道ヒルズ スペース オー(要チケット購入)
6月18日(土)10時45分〜 ブリリア ショートショート シアター(横浜)(要チケット購入)

 韓国大衆文化ジャーナリストでもある古家正亨がMCを務め韓国PV界のパイオニア、チャン・ジェヒョク監督と韓国エンタメトークを繰り広げる


米国アカデミー賞公認国際短編映画祭
SHORTSHORTS FILM FESTIVAL & ASIA 2011
開催日程&会場案内

原宿
6月22日(水)〜26日(日) ラフォーレミュージアム原宿

渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6F http://www.laforet.ne.jp/ ★各コンペ部門、特別部門、イベント多数!

六本木
6月17日(金)・18日(土) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

港区六本木6-10-2 けやき坂コンプレックス内 http://www.tohotheater.jp/ ★毎年人気のオールナイトプログラムを上映

表参道
6月16日(木)〜19日(日) 表参道ヒルズ スペース オー

渋谷区神宮前4-12-10 http://www.omotesandohills.com/index.php ★FC TOKYOプログラム(無料上映)はここだけ!

新宿
6月17日(金)〜24日(金) シネマート新宿

新宿区新宿3-13-3新宿文化ビル6、7F http://www.cinemart.co.jp/theater/shinjuku/ ★3D特別プログラム上映はここだけ!

横浜
6月18日(土)〜26日(日) ブリリア ショートショート シアター

横浜市西区みなとみらい5-3-1 フィルミー2F http://www.Brillia-SST.jp ★ナショナルツアー横浜同時開催


www.shortshorts.org
公式ツイッター 日本語版 @s_s_f_f 英語版 @ssff_en

携帯サイトへはこちら
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ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2011 part.2

2011.06.13 Vol.513

13年目のSSFF & ASIAが見せる“ショートフィルムのさらなる可能性”!

6月16日(木)〜6月26日(日)
原宿・表参道・新宿・六本木・横浜の5カ所開催!

今年も、ショートフィルムの祭典が幕を開ける! 米国アカデミー賞公認、アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF & ASIA)2011」。13年目を迎える今年、毎年恒例の人気プログラムだけでなく、新登場となるプログラムやイベントも多数。また、今回は原宿・表参道・新宿・六本木・横浜の5カ所にて上映されるので、鑑賞タイミングが増えたのもうれしい。これまでSSFF & ASIAを見たことが無いという人も、いずれかの会場をのぞいてみてはいかが。

ショートフィルムが生んだ絆で復興を応援

 ショートフィルムの持つ“映像の力”を伝え続けてきたSSFF & ASIAでは今年、東日本大震災の復興に向け映画祭チケット収益の一部寄付を決定。さらに2つのチャリティー企画を実施した。第1弾は「チャリティショートフィルムプロジェクト」。一般から“思いを込めた写真”を募集し、その写真をつなげて一本のショートフィルムを作るというもの(募集終了)。完成した作品は映画祭で上映される。第2弾は、著名人が超レア&貴重なグッズを出品する、チャリティーオークション。名作『スター・ウォーズ』シリーズの巨匠ジョージ・ルーカス監督や、これまでの審査員など、国内外問わず豪華な顔触れが“映像の力で、日本に笑顔を!”という映画祭の趣旨に賛同し続々参加している。今年はこれまでとは違う“ショートフィルムの力”を実感するはずだ。

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©Lucasfilm Ltd. & TM. All rights reserved.

世界の映画人が続々参加!
「SSFF & ASIA 2011 チャリティオークション」

 第1弾に出品するのは、SSFF & ASIA創立時から同映画祭を応援しているジョージ・ルーカス監督の直筆サインと、スター・ウォーズの名台詞「May The Force Be With You(フォースとともにあらんことを)」の直筆メッセージ付き「スター・ウォーズ:帝国の逆襲」のメイキング本など。他にも岩井俊二、ガレッジセール・ゴリ、コシノジュンコ、デーブ・スペクター、中田英寿、中村俊輔、蜷川美花、三池崇史、宮本亜門、渡部陽一など、豪華な顔触れが参加を表明している。

<オークション日程>
第1弾 6月11日(土)〜17日(金)
出品者:ジョージ・ルーカス、ジェイソン・ライトマン、ユ・ジテ、サム・テイラー=ウッド
第2弾 6月18日(土)〜24日(金)
第3弾 7月2日(土)〜8日(金)
※第2弾以降の出品者&ラインアップは公式サイトにて順次発表


オフィシャルコンペティション
上映場所 ラフォーレミュージアム原宿/ブリリア ショートショート シアター

“未来の巨匠”たちがグランプリを競うコンペティション(以下:コンペ)。今年、「インターナショナル部門」には映画祭史上最も多い3065作品が応募。うち16カ国・35作品を上映。コンペ出品作品だけでなく、コリン・ファースとキーラ・ナイトレイ共演作『スティーブ』など豪華な作品を集めた「セレブリティショート」も見逃せない。日本とアジアの監督作が集う「アジア インターナショナル & ジャパン 部門」には17カ国から585作品の応募があり、そのうち厳選された17作品を上映。『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督作『波瀾万丈』など、特別招待作品も豪華だ。各部門の優秀賞から選ばれるグランプリ作品は、次年度の米国アカデミー賞ノミネート候補作品となる。他にも、観客の投票によって決まるオーディエンスアワードなどの賞があり、今年の賞金総額は500万円以上となる予定だ。

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★豪華な「セレブリティショート」を楽しもう (写真左) コリン・ファースとキーラ・ナイトレイが夢の競演を果たした『スティーブ』

★巨匠たちの「マエストロショート」を堪能! (写真中央) 『オールドボーイ』のパク・チャヌク監督がベルリン映画祭金熊賞を受賞した作品『波瀾万丈』

★コンペティションも秀作揃い! (写真右) インターナショナル部門より『カンバセーション・ピース』


無料上映 旅シヨーット!プロジェクト
上映場所 表参道ヒルズ スペース オー/ブリリア ショートショート シアター

「旅シヨーット!プロジェクト」は、国土交通省観光庁とのコラボレーションにより、2010年から始動したプロジェクト。「旅シヨーット!プロジェクト」は、「旅っていいな」「旅がしたくなった」「日本に行きたくなるね」をキーワードに作品を募集する部門。好評つき今年も無料上映を実施。日本にあふれる多彩な観光資源を映像コンテンツとして表現し、世界中の人々に“日本の魅力”を訴えていくことを目的としている。第2回目となる今年も日本各地のさまざまな魅力を伝える作品が勢ぞろい。

 また、「日韓観光振興プロジェクト」によって特別製作された2作品も見逃せない。日本人監督によるオールソウルロケの作品『スーパースター』(出演:櫻井淳子、キム・ウンス)と、韓国人監督によるオール鎌倉・藤沢ロケの作品『スマイルバス』(出演:パク・コニョン、リュ・ヒョンギョン)の2作品とも鑑賞し両国の魅力を体感してほしい。韓国旅行気分をそそられる「韓国トラベル・ショート」も必見。

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(写真左端) 『スーパースター』/(写真左から2番目) 『スマイルバス』

旅シヨーット!プロジェクト 審査員はこちら!
(写真左から) セイン カミュ(タレント・俳優)/中島信也(映画監督)/菊川怜(女優 ※公式審査員と兼任)


無料上映 ストップ!温暖化部門
上映場所 表参道ヒルズ スペース オー/ブリリア ショートショート シアター/ラフォーレミュージアム原宿

 映像の力を信じてストップ温暖化! 今年で4回目を迎え、すっかり映画祭に欠かせぬ部門となった「ストップ!温暖化部門」。地球温暖化防止のための国民運動「チャレンジ25キャンペーン」との連携により、国内外から温暖化防止を訴えるショートフィルムを募り、今年も無料で上映する。今回は、全世界から282本もの秀作が寄せられ、そのうち厳選した13作品を上映。

 本部門が多くの支持を得ている理由の1つには、ときにユーモアを、ときに感動を味わいながらも、地球への思いを新たにできるという点。今年の上映作もバラエティー豊かな作品セレクトとなっている。北海道・網走の流氷という、日本の風物詩をテーマに温暖化を考えるドキュメンタリー『流氷はいつやってくる?』。ブロッコリーとマッシュポテトで気候を表現した実験的映画『気候という名の料理』。ドキュメンタリーであっても、フィクションであっても、見終わった後に温暖化防止への思いが残るはず。

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(写真左端) 『流氷はいつやってくる?』/(写真左から2番目) 『気候という名の料理』

ストップ!温暖化部門 審査員はこちら!
(写真左から) 石原良純(俳優・気象予報士)/江守正多(気象学者)/黒谷友香(女優)


映画祭史上初企画が続々。13年目の注目ポイントを一挙紹介!

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『27年後』

3D部門 supported by SHARP
上映場所 新宿

 映画祭初登場として今年注目したいのがこちら、3D部門。3Dの面白さを満喫できるショートフィルムが大集合だ。舞台『テニスの王子様』の川隅美慎とSSFF & ASIA 2010美女暦グランプリの瀬古あゆみ共演作『2028 Belief』、韓国SF映画界の鬼才シン・テラ監督の新作『27年後』など4本を厳選上映。思わず驚くハイグレードな作品ばかりだ。また、山崎貴監督や押井守監督など豪華ゲストが来場するイベントもお見逃しなく!

★スカパー! presents 3Dクリエイターズトークセッション
日時:6月18日19時〜 ゲスト:山崎貴監督ほか

★シャープスマートフォン 3Dコンテスト
CG・アニメーション部門授賞式イベント 日時:6月24日19時〜 審査員:押井守監督ほか


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『落としもの』

CGプログラム
上映場所 六本木/表参道/横浜/原宿

 こちらも映画祭史上初となるプログラム。2011年米国アカデミー賞短編アニメーション部門受賞作品『落としもの』をはじめ、世界基準のフルCG作品を集めた注目プログラムだ。ショートフィルムならではのドラマチックな展開とCGによる、ダイナミックな演出は見ごたえ満点。ちなみにこちらは、IT関連及びデジタルコンテンツの人材育成スクールなどを運営するデジタルハリウッド株式会社とSSFF & ASIAとのコラボにより実現したもの。日本から世界へ向けて、CGクリエイターの才能を発信する場としても注目したい。

★上映終了後、デジタルハリウッド講師とクリエイターによるトークセッションを行う予定


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『パパの思い出』

フットボールプログラム presented by J.LEAGUE
上映場所 表参道/横浜/六本木

 Jリーグ設立20周年を記念して新設されたのがこちら“フットボール”をテーマにしたショートフィルムを世界中から集めた「フットボールプログラム」。名作『リトル・ダンサー』のスティーブン・ダルドリー監督が父に思いをはせるサッカー少年の姿を描いた『パパの思い出』、第一次世界大戦中の実話をもとにした感動作『オフサイド』など秀作揃い。フットボールを通して描かれる人間模様とドラマの数々に“映像の力”そして“スポーツの力”を感じとることができるプログラムとして注目したい。


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『サイレント スクリーム』

ミュージックShort部門(ジャパン/韓国)
上映場所 表参道/原宿/横浜

 本部門で上映されるのは、ショートフィルムの視点でセレクトしたオフィシャルのミュージックビデオ作品と、楽曲をもとにクリエイターが製作したオリジナルショートフィルムだ。今年は、昨年の受賞監督・常盤司郎が、Superflyの楽曲「Ah」をテーマに製作した『皆既日食の午後に』(出演:濱田龍臣他)や、水嶋ヒロが原作、脚本、特別出演を果たした『サイレント スクリーム』などイチオシ作品が満載。韓国ミュージックショートでは韓国で国民的人気を誇るガールズグループ WONDER GIRLS出演作などを上映。


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『バス停より愛をこめて』

EOS MOVIE プログラム
上映場所 表参道/横浜

 キヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS」で撮影された映像「EOS MOVIE」。国内応募作品から選りすぐりのショートフィルム作品5本を上映する「EOS MOVIE プログラム」が新登場。カメラで撮影された映画と聞いて驚く人も多いかもしれないが、映像業界で「EOS MOVIE」はスタンダードになりつつある。事実、本映画祭の国内応募作品の約4分の1は「EOS」を使用して撮影されている。高画質なだけでなく、コンパクトなボディーや好感度機能により、最小限のスタッフでのさまざまな撮影を可能にすることから、ショートフィルムの撮影現場でも高い支持を得ているのだ。そんな「EOS」の実力を満喫できる作品を上映。映像に興味のある人は必見のプログラムだ。


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『ハートタンゴ』

イタリアプログラム
上映場所 六本木/表参道/横浜

 イタリア統一150周年を記念し、映画史に名を残す巨匠から現代の映画界を担う俊英監督の作品まで、イタリアのショートフィルムを一挙上映! 現代イタリアを代表する女優モニカ・ベルッチ主演、『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督の『ハートタンゴ』や、2010年カンヌ映画祭主演男優賞を受賞したエリオ・ジェルマーノが主演の『ミツバチと風』、そしてイタリアの巨匠ミケランジェロ・アントニオーニ監督作『街の清掃人』など、レア&豪華な作品ばかり。


 
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『MIRROR 〜a documentary film of UNDERCOVER』

桐生プログラム
上映場所 表参道

 今年7月24日から開催される「きりゅう映画祭」とのコラボ企画。人気ブランド『UNDERCOVER』デザイナー・高橋盾の、桐生・東京・パリコレでの姿を追ったドキュメンタリー『MIRROR 〜a documentary film of UNDERCOVER』を始め、これまで映画祭でノミネートまたは受賞している新鋭クリエイター3名が桐生市・みどり市を舞台に撮影したオリジナルショートフィルムなど、計4本を上映する。


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『お父さんの手』

高雄映画祭プログラム
上映場所 表参道/原宿/横浜

 SSFF & ASIAとパートナーシップを組んでいる台湾の高雄映画祭からのセレクト作品を上映。国内外の長編映画だけでなくショートフィルムの上映にも力を入れている高雄映画祭から、台湾若手作家の優秀なショートフィルムを“愛の世代”と“となりの英雄”というテーマで厳選。ドラマ『お父さんの手』、アニメ『桜の咲く頃に』など推薦作品を上映する。


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『ゴッド・オブ・ラブ』

アカデミープログラム
上映場所 表参道/横浜/六本木

 2010年米国アカデミー賞短編部門受賞作品&ノミネート作品を上映! 同短編実写部門受賞作『ゴッド・オブ・ラブ』、同ノミネート作品『告白』など、アカデミー賞のレッドカーペットを“歩いた”作品をスクリーンで観賞するまたとない機会だ。米国アカデミー賞公認映画祭だからこそ実施可能な、贅沢なプログラム。世界が認めたハイクオリティーなショートフィルムを堪能して。


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ブリリア ショートショート シアター

〒220-0012 横浜市西区みなとみらい5-3-1フィルミー2F【交通】新高島駅4番出口から徒歩5分、みなとみらい駅2番出口から徒歩6分【問い合わせ】045-633-2151【営業時間】10〜22時【休館日】火曜【通常料金】一般/学生1000円 シニア800円チケットはシアター窓口、WEB携帯にて販売

www.Brillia-SST.jp


ショートフィルムにハマったら…専門シアターにGO!

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「トラベルアイス THE大仏」
バニラ味、黒ゴマ味 各350円 6月18日より期間限定販売。映画祭上映作『スマイルバス』をイメージした大人向けコールドスイーツ。

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「フルワット」
2個入り 400円 6月16日より期間限定販売。「アジアインターナショナル&ジャパンプログラム」にちなみ料理研究家・西出美紀子と映画祭のコラボメニュー第2弾!

 横浜・みなとみらいにあるショートフィルムの専門シアター、ブリリア ショートショート シアターでも、6月18日から26日まで「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2011」を開催。フランス映画祭2011で上映した短編作品を上映するフレンチ・ショート特集は、本会場限定上映となるのでお忘れなく! また、映画祭期間中しか食べることのできない限定メニューも続々登場。オシャレ&こだわりメニューでも評判のシアターだけに、限定メニューも楽しみ。

 さらに6月29日(水)〜8月31日(水)の期間、 2011年度の受賞作品や審査員おすすめ作品で構成するスペシャルプログラムを上映。

 また現在、お得な年間パスポートが通常1万円のところ、8400円にて販売中。シアターの特別イベントへの招待など特典たっぷりの、シアター会員も受付中だ。


www.shortshorts.org


映画ファンと妻夫木・松山が熱いトーク

2011.06.08 Vol.512
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 映画「マイ・バック・ページ」ティーチイン イベントが8日、都内で開催され、沢田役の妻夫木聡、梅山役の松山ケンイチおよび、山下敦弘監督が参加した。会場にはすでに映画を鑑賞した約30人もの映画ファンが集まり、作品に関して熱いトークが繰り広げられた。

 学生運動を背景に、週刊誌編集者として働く沢田と、活動家として革命を目指す梅山が時代に翻弄される姿を描いた「マイ・バック・ページ」。会場には親が学生運動に参加していたという人も参加していて、親はいまだに当時の感覚を引きずっているとのこと。山下監督は、どうしてそういう気持ちを引きずっているのかを考えて脚本を手がけていると語る。


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 作品については、「重いテーマだったのですが、映画って何だろうというのを考えて3年ぶりに作った作品です。映画としてはすでに完成しているのですが、見るたびに、見え方が変わって、いまだに自分の中で決着がついていないのですが。いろんな人の意見を聞いて、やっと映画が完成しつつある状態です」という。
 役作りが難しかったという妻夫木は、「学生運動をメインにしているわけでもないですし、視点がそこにとらわれて、大事なものが見えてこないことが怖かったですね。一人ひとりが時代に翻弄されているのは確かなのですが、人間の欲とか内面から出るものを大切にして役をやっていました」と共感がなかなかできない役へ取り組んだ。その中でも自らの経験から「芸能界に入ると、お金もラクに稼げて、女にもモテてと思っていたけど、何もできませんでしたね。台詞も出てこないし、芝居も意味が分からないし、自分が情けなかったですね。そういう挫折があるからこそ、今の自分がある」と、挫折が人を成長させることを役を通じて再認識させられたようだ。
 松山は、「学生が立ち上がったのは、日本が間違った方向に行くかもしれないという危機感があったからで、国を愛する気持ちは今も昔も変わらないと思うんです。日本人として何ができるかですね」としながら震災後は、「福島に瓦礫を撤去しに行っているんです。バイトは不真面目だったのですが、瓦礫の撤去は時間を惜しんでやっているんですよ。よくこれだけ動けるなというくらい。何かしなきゃという思うのは、昔も同じような気がしますね」と、その熱い気持ちを語っていた。


『マイ・バック・ページ』
全国大ヒット公開中 新宿ピカデリー、丸の内TOEI 他
©2011 映画『マイ・バック・ページ』製作委員会



『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』

2011.06.06 Vol.512

X-MENの“起源”が今、明かされる!

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X-Men Character Likenesses TM & ©2011 Marvel Characters, Inc. All rights reserved. TM and ©2011 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

 遺伝子の突然変異により、超人的なパワーが覚醒した人々=ミュータントの苦悩と冒険を描く大ヒットシリーズX-MENの最新作が登場! これまでウルヴァリンやサイクロプッスらを中心とした物語が描かれてきたが、本作で語られるのは“エピソードゼロ”。物語の中核を担うのは、後にプロフェッサーX と呼ばれるX-MENの設立者チャールズ・エグゼビアと、後にテロリスト軍団・ブラザーフッドの首領マグニートーとして恐れられるようになるエリック・レーンシャー。若き2人の出会いから友情を交わした日々、そして決裂までを描き、X-MEN誕生の知られざる真実を明かす。

 チャールズ役に『ウォンテッド』のジェームズ・マカヴォイ。エリック役に『イングロリアス・バスターズ』のマイケル・ファスベンダー。『キック・アス』で世界中の映画ファンから絶賛された気鋭監督マシュー・ヴォーンがメガホンをとっているのも見逃せない。

STORY:裕福な家に生まれたチャールズと、母親と引き裂かれた悲しい過去を持つエリック。強力なテレパシー能力を持つチャールズは、磁力であらゆる金属を操ることのできるエリックと出会い親友となるが…。

監督:マシュー・ヴォーン 出演:ジェームズ・マカヴォイ他/2時間11分/20世紀フォックス映画配給/6月11日よりTOHOシネマズ スカラ座他にて公開 http://movies2.foxjapan.com/xmen-fg/


大人もハマる! 映画”もしドラ”

2011.06.06 Vol.512

"悩める社会人"必見。青春ストーリーとビジネス書解説が合体

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累計発行部数268万部を突破したベストセラーがAKB48 前田敦子を主演に迎え映画化! 大ヒット上映中の映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」は悩める大人たちにもイチオシの一本だ。

 勢い冷めやらぬ"もしドラ"ブーム。アニメ化やコミック化とさまざまな広がりを見せているなか、ブームの集大成ともいうべき待望の映画化作品がついに公開。人気絶頂のAKB48 前田敦子が演じる主人公・川島みなみが、経営学の父・ドラッカーの著作を手にしたことから始まる物語。映画ならではの感動を与えつつ、モチベーションを上げてくれる、社会人も必見の一本なのだ。

監督:田中誠 出演:前田敦子、瀬戸康史、峯岸みなみ、池松壮亮、川口春奈、大泉洋他/2時間5分/東宝配給/TOHOシネマズ 六本木ヒルズ他にて公開中 http://www.moshidora-movie.jp/
©2011「もしドラ」製作委員会


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やる気のないエース・浅野。後輩や監督ともうまくいっていない様子。当然、試合にも悪影響が...

大人もハマる Point1「ウチの会社にもこんな人いる!」

 物語は、ごく普通の女子高生・川島みなみが、代理で野球部のマネジャーを頼まれることから始まる。しぶしぶ引き受けたものの、みなみが通う程久保高校野球部は負け続きのダメチーム。みなみは、チームを立て直そうと、書店にマネジャーの参考本を探しに行くが...。ダメチームが立ち直るスポーツ映画は少なくないが、本作では野球部=組織の問題点が具体的にキャラクタライズされている。全体的にやる気がない、人間関係でトラブル多発、リーダーの不在など、社会人なら"他人事ではない"問題ばかり。物語の舞台は高校野球だが、自分の会社やチームを思い浮かべながら見れば、共感せずにはいられない。


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「野球部だって��組織�≠セ!」と気づいたみなみ。では、野球部の定義って? 野球部の��顧客�≠チて?

大人もハマる Point2「ストーリーで"なるほど!"解説」

 高校野球のマネジャーになるべく参考本を買いに書店にやってきたみなみ。ところが、勘違いした店長から薦められたのは経営学の父・ドラッカーの名著「マネジメント」。家に帰ってからビジネス書だと気づきがく然とするが「マネージャーの資質とは、才能ではない。真摯さである」という一節に心を動かされ...。

「組織の定義」「マーケティング」「強みを発揮させる」「イノベーションに取り組む」...ドラッカーの理論を高校野球に当てはめ、見事に野球部を改善、成長させていくみなみ。経営マネジメントの理論が、どう生かされていくのか...映画を見てのお楽しみ。


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クライマックスの決勝戦に待つ、最大のドラマとは...。甲子園ファンでなくともハンカチ必携

大人もハマる Point3「もう一度"青春"しよう!」

 みなみのマネジメント術によって改善されていく程久保高校野球部。一歩一歩、勝ち進んでいくみなみたち。しかし甲子園出場をかけた地区大会決勝前夜、衝撃的な出来事が起こる...。

"もしドラ"の魅力は、単なるドラッカー解説にとどまらず、主人公や野球部の成長ストーリーに仕上がっていること。ドラッカーの理論によってダメチームが改善され、ついには高校野球界の常識をも覆す。そんなストーリーラインはドラマティックな痛快さと感動にあふれ、大人にも"青春"を味わわせてくれる。主人公のみなみを筆頭に、悩める部員たちの心情がリアルに描かれているのも世代を超えた共感を呼ぶはず。


マネジメントでどう変わる!? 問題アリな登場人物たち

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川島みなみ(前田敦子)
親友・夕紀の代わりに野球部のマネジャーとして入部。ドラッカーの「マネジメント」と出会い、甲子園出場を目標に弱小チームを改革していく

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浅野慶一郎(瀬戸康史)
野球部のエース
問題点:やる気なし。監督や部員との信頼関係に亀裂

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柏木次郎(池松壮亮)
キャッチャー。みなみとは幼なじみ
問題点:チームの現状に不満はあるが、あきらめ気味

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宮田夕紀(川口春奈)
入院中の野球部マネジャー。みなみの親友。部員の誰もが心を開く存在

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北条文乃(峯岸みなみ)
後輩マネジャー。成績は優秀
問題点:人見知りで引っ込み思案

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加地誠(大泉洋)
程久保高校野球部監督
問題点:野球理論には詳しいが、事なかれ主義

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保谷(石塚英彦)
ドラッカーに詳しい書店主。みなみに「マネジメント」を薦める

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五十嵐(青木さやか)
チーフマネジャーに昇格し、参考本を探しに来た客

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程久保高校野球部
問題点:さぼり、エラー続出のダメチーム。甲子園なんて夢のまた夢


映画"もしドラ"大ヒットの仕掛け人!

 映画"もしドラ"を作り上げた3人のキーパーソンがこちら。メガホンをとった田中誠監督は、以前にも夏帆主演作『うた魂♪』などで青春ストーリーを手掛けた実力派。原作者・岩崎夏海は、かつて秋元康に師事しており、AKB48のプロデュースにも参加。もとは峯岸みなみをモデルに、ヒロイン・みなみを生み出したというエピソードも知られている。そして本作の総合プロデューサーを務めた秋元康。前田敦子、峯岸みなみの女優進出、主題歌、挿入歌とファンを満喫させてくれた。

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田中誠(脚本・監督)
『タナカヒロシのすべて』で映画監督デビュー。映画『うた魂♪』やドラマ『おじいちゃんは25歳』も手掛け、話題に

岩崎夏海(原作・脚本)
2009年に出版した初著書『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』で"もしドラ"ブームを生んだ

秋元康(総合プロデュース)
作詞家。ご存じAKB48、SKE48、SDN48、NMB48の総合プロデューサーも務める

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映画"もしドラ"撮影エピソード

★リアルなプレーシーンに注目!

 物語の感動を、よりリアルに伝えてくれるのが野球部員を演じた俳優たち。エースを演じた瀬戸康史をはじめ、ほとんど野球経験が無かったとは思えない迫力を見せてくれる。キャッチャー役の池松壮亮は野球経験者だけあり、バッティングも力強い。前田がバットを手に美しいフォームを見せるシーンもファン必見だ。

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一体となって"試合"に挑む俳優たち。その様子は本物の野球部そのもの!

★撮影は冬に実際の球場で

 リアルな演出に、さらに一役買ったののがロケ撮影。程久保高校のグラウンドとして使用されたのは、茨城県高萩市の廃校・旧高萩工業高校のグラウンド。撮影は冬だったため緑の芝生を植え"夏"を演出したり、雪に降られて除雪作業に追われたりという苦労もあったとか。地区大会のシーンでも、鴻巣フラワースタジアムや宇都宮清原球場など、実際の球場で撮影を敢行。野球部員になりきった俳優と、観客・応援役のエキストラが一体となり、実際の試合会場のような雰囲気が生まれている。また、みなみがドラッカーと出会う書店は、西東京市にある保谷書店を借りて撮影されている。


映画“もしドラ”を完全制覇!

2011.06.06 Vol.512
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AKB48のエース 前田敦子 待望のソロデビュー! デビューマキシシングル『Flower』(Act1〜3)がYou,Be Cool! / KING RECORDSより6月22(水)発売。表題の「Flower」と「この胸のメロディー」の他、Act1〜3それぞれに異なるお楽しみが盛りだくさん!
【公式HP】http://www.kingrecords.co.jp/maedaatsuko/

ドラッカーに、AKB48に…ハマる要素満載

 先週封切りされ、大ヒット中の映画「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」。高校野球とドラッカーという、一見まったく異なる要素が一体化して感動の青春ストーリーになるという想定外の面白さに加え、映画ならではのドラマ要素も満載。さらにヒロイン・みなみ役を前田敦子が務めるなど、AKB48のファンも見逃せない映画となっているのも、ヒットの要因に違いない。

 内容そのものはもちろん、AKB48、原作本、ドラッカーなど、ハマる要素がめじろ押しの話題作だ。


主題歌でAKB48、挿入歌でソロ・前田敦子を満喫!

 映画“もしドラ”の大きな見どころとなっているのは、ヒロイン・みなみを演じた前田敦子の存在。昨年12月、キャスティングが発表されたときには「以前から(野球部、サッカー部といった)マネジャーをやってみたいと思っていましたので、みなみ役をいただいたときはうれしかったです。マネジャーという役を通して周りの方たちをサポートする側にもなれるように頑張ります。チームプレイでステキな作品に仕上げたいと思います!」というコメントを寄せていた。初主演にも関わらず、ときに熱血、ときに繊細なヒロインを生き生きと演じきった前田の魅力を再発見するファンも多いはず。5月に行われた完成披露イベントでは、後輩マネジャー・文乃役を演じた峯岸みなみも、前田の演技について「普段は甘えんぼなのですが、芝居になると女優さんの顔になるので、間近で見ていて刺激になりました」とコメントしている。

 彼女たちの楽曲を主題歌・挿入歌で楽しめるのも映画ならではだ。主題歌は現在記録的な売り上げを誇るAKB48の新曲「Everyday、カチューシャ」。そして挿入歌は、6月22日に発売となる前田のソロデビューシングル「Flower」。タイムリーな楽曲を映画館で堪能できるのはうれしいかぎり。

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完成披露イベントでは前田敦子や峯岸みなみら主要キャストが勢ぞろい。前田は大ヒットを目標に甲子園さながらの“宣誓”

 さらに、TVCMでも“もしドラ”2人組みが活躍。「ワンダ」ブランド新TVCM「映画もしドラ応援」編が先月28日より放映中だ。毎日朝が早くて大変だった前田、峯岸は朝専用缶コーヒー『ワンダ モーニングショット』を飲んで頑張ったというエピソードを披露する内容。先輩・後輩を演じた2人の、息の合った掛け合いに注目。

 公開前、勝負事の神様として信仰を集める箭弓(やきゅう)稲荷神社に大ヒット祈願をした前田。「(自身も)6月はいろいろあるので、笑顔で過ごせたらいいなと思います!」と語っていた通り今後の活躍にも目が離せない。先日、前田は7月スタートのドラマ「花ざかりの君たちへ〜イケメン☆パラダイス〜2011」で“イケメン男子”を演じるため髪をバッサリ。本作で見せるポニーテールの女子高生姿は貴重な映像になりそうだ。



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「Flower」【Act1】
CD+DVD 1600円(税込)

全6曲。共通楽曲の他「頬杖とカフェ・マキアート」など。DVDには共通映像の他「前田敦子スペシャルインタビュー『今、考えていること』」とPVメイキング映像。初回製造分にジャケット撮影オフショットのフォトブック付き

「Flower」【Act2】
CD+DVD 1600円(税込)

全6曲。共通楽曲の他「夜明けまで」など。DVDには共通映像の他「Flowerが咲くまで 〜前田敦子の軌跡〜」。初回製造分にMV撮影時オフショットのフォトブック付き

「Flower」【Act3】
CD+DVD 1600円(税込)

全6曲。共通楽曲の他「La Brea Ave.」など。DVDには共通映像の他「前田敦子ファッションブック『今、着てみたいお洋服』」。初回製造分にはファッションブック(10ポーズ)付き


主題歌「Everyday、カチューシャ」ランキングぶっちぎり!

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 本作の主題歌はAKB48の新曲「Everyday、カチューシャ」。5月に発売され、初週で133万枚の売り上げを記録。オリコンによると、発売初週としては、1996年に120.8万枚を記録したMr.Childrenの「名もなき詩」を15年4カ月ぶりに更新した。6月6日付けのオリコン週刊シングルランキングでも堂々1位。これで、2009年10月発売の「RIVER」以降8作連続で首位を獲得したことになり、ピンク・レディーが78年に打ち立てた記録を32年8カ月ぶりに塗り替えたことになる。

AKB48 21st Single『Everyday、カチューシャ』通常版 CD+DVD 1600円・税込 You,Be Cool! / KING RECORDSより発売中


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勘違いした書店主から「マネジメント」を薦められたみなみ。すべてはここから始まった

映画が数倍楽しくなる! ドラッカー関連情報

“ドラッカー山脈”と称されるほど膨大な著作をしるしたP.F.ドラッカー。“もしドラ”ワールドも、それに劣らぬ広がりを展開中だ。

 映画を見て、もっと“もしドラ”を知りたくなったのなら、岩崎夏海の原作本は必須。コミック、アニメまで網羅してしまったら、「エースの系譜」「甲子園だけが高校野球ではない」といった岩崎の他著作もおススメだ。

 ドラッカー自身に興味を抱いたなら「マネジメント」をはじめとする“ドラッカー山脈”に挑戦してみては。ドラッカーの“精神”に触れたい人には「決定版 ドラッカー名言集」など、至言の数々をまとめた本を探してみるのもよさそう。また、映画の公開前後には「100分で名著」(NHK教育)に取り上げられるなど、関連番組を予定しているので、こちらもおススメ。本格的に理念を学びたい人は、ドラッカー学会による講演会情報などをチェックしてみてはいかが。

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映画では、みなみが「マネジメント」と出会った書店に、ドラッカーのソックリ人形が…

そもそも“ドラッカー”ってどんな人?

 ピーター・フェルディナンド・ドラッカー(1909〜2005)は、20世紀から21世紀にかけて、経済界に対して最も影響力のあった経営思想家といわれている。現在の経営理論にも生かされているマネジメントの主な概念と手法を生み出し、マネジメントの父、経営学の父と称された。

 そんなドラッカーが1974年に刊行したのが「マネジメント―課題、責任、実践」。それまで彼が発表してきた自らの経営論を体系化しまとめた本書は、世代、国を超えたベストセラーとなる。ちなみに、主人公のみなみが読んでいるのは、本書のエッセンスを初心者向けにまとめた“エッセンシャル版”。


映画と合わせて楽しもう! “もしドラ”ワールド

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『マネジメント【エッセンシャル版】』
P.F.ドラッカー著 上田惇生 編訳 定価・2100円(税込) ダイヤモンド社 刊
すべてはここから始まった! 映画の主人公・みなみが出会ったのは、『マネジメント』のエッセンスを初心者向けにまとめた【エッセンシャル版】

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「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
岩崎夏海 著 定価:1600円(税込) ダイヤモンド社 刊
2009年の発売以降、累計発行部数236万部という驚異的なベストセラーを記録。日本中に“もしドラ”ブームを巻き起こし、次々にアニメ化、映画化されている

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コミックス版「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
原作:岩崎夏海 漫画:椿あす 集英社 ジャンプコミックス デラックス
“もしドラ”ワールドをコミックスで楽しく、分かりやすく満喫。原作やアニメ、映画との違いもチェックしてみて!


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