「旭日小綬章」受賞の浪曲師・京山幸枝若「これをきっかけに浪曲が繁栄していってくれたら」 今後の課題は「どうやって若いお客さんを取り込んでいくか」
「自分が若い時は浪曲は下火になってきていた。昭和30年代の後半から下火になって、40年代の前半でちょっと盛り返した時があったんですけど、また50年代の後半に下がってきた。いろいろなことを吉本の舞台でもやりました。『王貞治物語』とかね。バットを持って、ジャイアンツの帽子を被ってユニホームを着て。阪神ファンやのにね(笑)。全国的には巨人のファンが多かったんで、それがええかなと思ってやったんですけど、そういうお笑い的なことを中心にやろうとしたら漫才とか落語には勝てない。やっぱり浪曲の良さっていうのは、人情というか人の情けというか親孝行というか。そういったものの中にお笑いが入ったり、お涙ちょうだいが入ったり、カッコよさが入ったり。“これがやっぱり浪曲なんかな”っていうのが、だいたい40代ぐらいで気がつきました」と自身の若手時代を振り返ったうえで、若い浪曲師たちには「だから“古典は忘れたらいかんで”っていうことは、常に若い人に言うてるんです。古典が基本で、それからうまいこと違う方向へ。お笑いをやったり、コント的なものやったり、掛け合いで浪曲をやったり、いろんなものをやっていたんやけども基礎となるのはやっぱり古典やからっていうのは自分の中でも“そやな”と思って“やめようかな”と思った時分もあったけど、コツコツやってきてよかったなと思いました」と古典の大事さを説いているという。
若手育成の取り組みとしては弟子とともに専門学校などに行って浪曲とはどんなものかということを説明し、漫画を題材にした浪曲をやって見せ、最後は京山が分かりやすい浪曲をやって見せるといった活動や、人間国宝になったことで支給されるようになった補助金で「浪曲DESSE」というイベントを定期的に開催。そこでは3人の若手浪曲師たちが出演し、新しいネタや新しい企画をやるのだが、やはり3人目には必ず古典をやらせているという。
京山が人間国宝になったことで、浪曲師になりたい人が徐々にではあるが増えてきた。そして育成のためのイベントなども開催できるようになってきたのだが、そういったところに来る客については「年齢層でいうと60代くらいですかね。他の世代もそれぞれいますが若い子は少ない。どうやって若いお客さんを取り込んでいくかというのが今の一番の課題だと思う」とも語った。

